【病気解説】⑪ 良性の体表腫瘤、すなわち「イボ」
毛のあるペットすべてに起こり得る、「イボ」の正体!
皮膚に何かできてる!?あるあるな診断名をご紹介します。
皮脂腺腫
犬の皮脂腺腫は、一般的に良性の皮膚腫瘍であり、特に高齢の犬に多く見られます。

- 定義: 皮脂腺腫は、皮脂腺が詰まってできるしこりで、犬の皮膚にできるイボの一種です。通常、ドーム状に盛り上がり、カリフラワーのような外観を持つことがあります。
- 発生部位: 主に頭部や四肢に見られますが、まれに口腔内や生殖器にも発生することがあります。
- 発症年齢: 一般的に8歳から13歳の高齢犬に多く見られます。

症状
- 皮脂腺腫は通常、無痛であり、数週間から数か月で自然に小さくなることが多いです。
- ただし、刺激を受けたり、出血や化膿が見られる場合は、外科的な処置が必要になることがあります。
診断と治療
- 診断: 皮脂腺腫の診断は、視診や触診、場合によっては細胞診を用いて行われます。
- 治療: 良性の皮脂腺腫は、完全切除により治癒することが一般的です。悪性の可能性がある場合は、より積極的な治療が必要です。
注意点
- 皮脂腺腫は良性であることが多いですが、見た目や大きさの変化に注意が必要です。特に、急に大きくなったり、色や硬さが変わった場合は、獣医師に相談することが重要です。
- 飼い主は、愛犬の皮膚の異常に気づいた際には、早めに獣医師に相談することが推奨されます。
- 犬の皮脂腺腫についての理解を深め、適切なケアを行うことが大切です。
毛包上皮種

犬の毛包上皮腫は、犬の皮膚に発生する毛包漏斗部上皮細胞由来の良性腫瘍です。
頚部背側や体幹部の皮膚で多く見られますが、その他の部位にも発生します。毛包上皮腫は良性腫瘍で、完全切除によって治癒します

犬での発生のピークは5~7歳で、ノルウェジアン・エルクハウンド、ラサアプソ、ペキニーズ、ヨークシャー・テリア、ジャーマン・シェパードなどでリスクの上昇があると報告されています。
脂肪腫

- 良性腫瘍: 脂肪腫は脂肪組織からなる良性の腫瘍で、通常は無症状で痛みを伴わないことが多いです。触ると柔らかく、動くような感触があります。
- 発生部位: 脂肪腫は全身のあらゆる部位に発生する可能性がありますが、特に胸部、腹部、四肢、腋窩などが好発部位です。
- 成長速度: 一般的には数か月から数年かけてゆっくりと成長しますが、時には10cm以上に達することもあります。
症状
- 無症状: 多くの場合、脂肪腫は無症状で、飼い主がブラッシングや触診の際に気づくことが多いです。
- 影響: 大きくなると、周囲の組織を圧迫し、歩行困難や内臓機能の障害を引き起こすことがあります。
治療法
- 経過観察: 脂肪腫は通常、良性であるため、特に問題がなければ経過観察が推奨されます。しかし、急激に大きくなったり、生活に支障をきたす場合は外科的切除が必要です。
- 手術: 脂肪腫が筋肉の間にできた場合や、浸潤性脂肪腫と呼ばれる悪性の可能性がある場合は、手術による切除が必要になることがあります。
予防法
- 特に予防法はない: 脂肪腫の発生を完全に防ぐ方法はありませんが、定期的な健康診断や観察が重要です。肥満が関与している可能性もあるため、適切な体重管理が推奨されます。犬の脂肪腫は一般的な良性腫瘍ですが、定期的な観察と獣医師の診察が重要です。愛犬に異常を感じた場合は、早めに獣医師に相談することをお勧めします。
角化上皮種

良性の表皮由来腫瘍で、若い雄犬に多い。通常は単発性であるが、ノルウェージャンエルクハウンドでは多発することがある。0.5-4cmの直径の隆起した結節状の病変で皮膚表面には穴があいている。内容はチーズ様角化物である。単純切除で治癒する。類似の病変に表皮嚢胞というものがあるが、これは毛包が角化物で充満して拡張したもので腫瘍性ではない。しかしながら多発する場合がある。
皮膚組織球腫

犬の皮膚組織球腫(Canine Cutaneous Histiocytoma)は、犬の皮膚にできる良性の腫瘍で、特に3歳未満の若齢犬に多く見られます。急速に成長し、通常は1〜2cmの大きさになりますが、まれに4cmに達することもあります。腫瘍は赤くドーム状の形をしており、特に耳や四肢に多く発生します。

症状
皮膚組織球腫は、通常、かゆみや痛みを伴わず、見た目には赤いしこりとして現れます。腫瘍の表面が潰瘍化することもありますが、ほとんどの場合、犬は不快感を感じません。腫瘍は急速に成長しますが、3ヶ月以内に自然に退縮することが多いです。

診断方法
診断は、視診や触診を通じて行われ、腫瘍の細胞を針で採取して顕微鏡で観察する細胞診が一般的です。特徴的な細胞が確認できれば、診断が可能です。
治療
皮膚組織球腫は通常、良性であるため、特別な治療は必要ありません。経過観察が推奨されることが多いですが、腫瘍が大きくなったり、犬が気にして舐めたりする場合は、外科的に切除することもあります。
まとめ
犬の皮膚組織球腫は、若い犬に多く見られる良性の腫瘍で、通常は自然に退縮します。腫瘍の成長が急速であるため、獣医師による診断が重要です。腫瘍が見られた場合は、早めに動物病院での診察を受けることをお勧めします。
院長先生の動画にはさらに詳しく解説されています。
次回は
悪性の体表腫瘤、すなわち「がん」
お楽しみに!